LIVE LIVE LIVE |X JAPAN
LIVE LIVE LIVE
X JAPAN
ポリドール
発売日 1997-10-15
これ以上のlive performer は存在するか? 2005-05-01
もはや現在において神格化されてしまったXJAPAN(X)の過去の名ライブ曲を選りすぐりで収録した言わば、「ライブの軌跡」とも言えるCDが本盤だ。ライブ演奏は、通しで聴いてこそ本来の真価が発揮されるだろうが、過去の「名演集」であってもその臨場感を微塵も殺していない部分に、改めて彼らの実力を実感させられる。選曲もやや後期や有名曲に偏りがあるものの、リスナーを限定しないという意味ではこの上無い盤でもある。
ダイジェストであっても、イントロにライブの序奏たる「プロローグ」を持っていくのがにくい。曲毎に聴き所が多すぎて細かいコメントは割愛させてもらうが、ライブの一発どりでもCDと遜色無い実力を発揮しているのが凄まじい。エックスの素晴らしい所は、曲、特に激しい曲である程、曲中にメリハリを付けドラマティックに仕上げる才を持っていた所だ。それが集約されている部分がギターソロとドラムソロだろう。例えば[blue blood]の寸分違わぬツインギター。高速音階でさえも乱れない、加えてその中で泣きの旋律さえ齎す。或いは[week end]のpataとhideのギターの掛け合い。まるでギター同士が会話をしているような刺激的なメロディーに終盤の融合。ギターだけでも聴き応え充分だ。
キャリア後半時期になるとエックスの「見せ場」は更に進化する。例えば[dahlia]である。曲の構成がクラシックで言う所のソナタ形式の如く「起承転結」まで想像させるような劇的な構成。それはyoshikiの天賦の才である作曲能力による所が大きかろうが、中でも中間部分の「見せ場」は正にエックスとしての一つの到達点だろう。一瞬テンポが緩んだ直後ジャズドラムの如く襲いかかるようなドラムと攻撃的エフェクト音で襲いかかるギターの応酬がそれである。
それでいて、[rose of pain]では繊細なアコギを、そして[clucify my love]のように躍動的なピアノも披露する『静』も見せつけるかと思えば、「アメジスト」のようなクラシカルなインストも披露と、ここまで多面的な音楽性を披露するバンドは神格化されて当然であろう。